2022/09/16 19:15

先日、コーヒー生産者とロースターとをつなぐデジタルプラットフォームを運営するTYPICA様より貴重な機会を頂き、現在発売中のコスタリカの豆の精製を担ったCafé de Alturaのエステバンさんを交え、オンライン上で対話しました。


今回のブログでは、Café de Alturaや精製についての解説と、こしばがコーヒーの考え方について書いていきます。



【精製とコスト】

Café de Alturaはコスタリカの小規模生産者のチェリーを取扱い、精製と輸出を担う企業です。


Café de Alturaのスペシャルティコーヒー部門を担うのがエステバンさんで、

彼の探究心から生まれたのが【アナエロビック精製】※2です。

今では国を超えスタンダードになりつつある 精製方法※1 でご存知の方も多いでしょうか?

毎年色んな議論を耳にする精製方法ではありますが、

そういった中で信念を貫く姿勢と、何より土地と生産者さんへの敬意が伝わってくる言葉が印象的でした。


マイクロミルが発展した国として有名なコスタリカですが、小規模生産者の中にはミルにコストを割くことができないところも多くあるそうです。そんな中で彼らの企業が精製を担っているのです。


彼らの精製は、

440Lのチェリーからわずか25kg(50ポンド)しかとれません。(通常だと440Lのチェリーから45kg(100ポンド)の生豆がとれます)


彼らは小規模生産者さんが作るわずかなチェリーを取り扱います。さらに品質を高めるために、精製はひとつひとつ丁寧に扱われます。

実験に基づく緻密な精製、コーヒーチェリーの収穫量に対しての最終的な生豆の出来高は少なくなり、また人件的コストや品種自体の価格も絡み、こういったお値段になっています。

【挑戦と革命】

彼らは精製によって、品質を高めることができるという信念を持ち、新たな挑戦を続けています。

数々のイノベーションは今後のクオリティへとつながると信じており、きっと私たちのコーヒーのある生活の中にもその革命がもたらされるのだと思います。


例えばミューシレージのように、これまで捨てられてきたり、価値がないと思われてきたものも、誰かの発見で新たな価値へと変わるということが時にあり、それは巡り巡って、どこかで誰かの運命を変え、革命が生まれるのだなと思いました。


私個人の意見ですが、彼らの精製は彼ら自身だけでなく、時間や地理が形成してきたこのコスタリカという土地ならではの考え方であるとも思っているため(※時に例外あり)、誤解を恐れずに言えば極端な話これもある種のテロワールの形なのだと捉えています。加えて、特にCafé de Alturaの生産に関する情報の透明性は品質を証明しているように思えたため、こちらから豆を購入することを決めました。

このように高い品質かつ素晴らしい想いを持った方達のコーヒーをお取り扱いできることを光栄に思います。


ぜひ一度ならず、何度も、そして今後のニュークロップに期待しながら味わっていただけたらと思います!

豆のご購入はこちらから!


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※1 精製とは、

とてもざっくりいうとコーヒーの実からタネ(生豆)の状態にする工程の一つで、各精製方法の名前は、工程の違いを示しています。この工程の違いによって、特徴の異なる味わいが引き出されます。よく聞くものには、ウォッシュド精製やナチュラル精製などがあります。


※2 アナエロビックファーメンテーションという精製方法は、

嫌気性発酵という意味です。取り除かれたミューシレージ(コーヒーチェリーの種の周りについたベトベトした物質)にチェリーを入れ、酸素に触れない状態で、発酵させる方法です。その後、さらにウォッシュドもしくはナチュラルの工程を踏み、生豆の状態になります。

よく聞くウォッシュド精製やナチュラル精製でも発酵の工程はあるのですが、発酵(微生物が糖分を分解する)具合も、また、酸素の有無で発酵を行う微生物の種類も異なるため、それぞれの精製方法で異なる特徴のフレーバーが生み出されます。